認定薬剤師とは?

こんにちは。さらたろーです。

エントリーシートの記載や面接時に、

「将来の薬剤師像は?」

「どういう薬剤師になりたいの?」

などと、薬剤師になってからの展望について聞かれることは多々あります。

臨床現場で活躍する薬剤師として、

何らかの専門性を身に着けて認定薬剤師を取得する

というのは、短くない薬剤師人生で大事になってきます。

認定薬剤師はどのくらいある?

認定薬剤師というのは、認定団体によって複数あります。ここではメジャーな9種類の認定薬剤師をご紹介します。

研修認定薬剤師(日本薬剤師研修センター)

生涯研修認定薬剤師(日本病院薬剤師会)

名前こそ違いますが、ほとんど同じような認定と考えてもらって構いません。

前者が主に調剤薬局などで働く薬剤師向け、後者が主に病院薬剤師向けの資格になります。

研修成果を記録することで、薬剤師になってからも自己研鑽に励んでいますよ、ということを客観的に示すことができる制度です。

一定期間内に所定の単位を集める事が必要で、倫理、基礎薬学、医療薬学、衛生薬学及び薬事関連法規・制度など、分野ごとに必要な単位数が決まっています。

単位のとり方は、業務後に勉強会という形でクリニックの先生の講演会に参加することで単位がもらえます。事前に、この講演会に参加するとこの分野が○単位取得できます、のようなアナウンスがありますので、足りない分野は積極的に受講する必要があります。

今まではホテル等の会場に行って講演会を聞く必要がありましたが、コロナ渦で、オンラインでの開催がふえ、今まで以上に参加しやすくなっています。

頻度的には月に1~2回くらいですかね・・・。取得しにくい分野の単位もあるので、こまめに情報をチェックする必要があります。だいたい県の薬剤師会などがメインで活動していると思います。

漢方薬・生薬認定薬剤師

漢方薬や生薬の専門業務分野においてあるレベル以上の能力と適性を持っていることを証明された薬剤師を言います。

取得には認定団体の実施する研修を受け、試問に合格する必要があります。また、3年毎の更新のために、漢方薬・生薬に関する研修に参加し、定められた単位を取得する必要があります。

小児薬物療法認定薬剤師

小児科領域は薬の用法用量や服薬指導など、より専門性を極めた薬剤師が活躍できる領域です。

・3年以上の実務経験

・認定施設での研修

・筆記試験の合格など、ハードルがやや高い認定薬剤師になります。

認定実務実習指導薬剤師

こちらは、薬学部生5年・6年の実務実習を指導できる様になる認定になります。

実務経験が5年以上だと申請でき、養成研修に参加すると取得できます。

実際に実習に行くと、その先生以外から指導してもらうタイミングもたくさんありますが、

学生受入施設として、この認定を持った薬剤師の有無が重要になります。

がん薬物療法認定薬剤師・がん専門薬剤師

これは抗がん剤やレジメン等、がんの薬物療法に関して高い専門性を持っている薬剤師を指します。

取得の上限として

・実務経験3年以上

・薬剤管理指導の実績50症例以上(複数の癌種)

・座学の試験

など、一番取得の難易度が高い認定と言っても過言ではありません。その難易度の高さの分、がん治療の薬物療法に積極的に介入でき、患者の薬物療法に寄与できます。

感染制御認定薬剤師・感染制御専門薬剤師

感染制御とは、消毒薬、抗菌薬の取捨選択、耐性菌の出現などに関して、薬学的知見から介入していく薬剤師のことを指します。

・ASTやALTの活動が3年以上

・介入症例20例以上

など、こちらも取得までに時間がかかる認定になります。

新型コロナウイルスの流行で、感染制御に介入する薬剤師がますます注目されています。

緩和薬物療法認定薬剤師

緩和ケアとは、がんなどの疼痛に対して医療用麻薬をもちいて疼痛を取り除く薬物療法のことです。細かい薬の調節や、疼痛の強弱に応じた薬物選択に、認定薬剤師が介入しています。

・実務経験5年以上

・症例30例以上

などこれもなかなかハードルが高いです。

日本は諸外国にくらべ医療用麻薬の使用頻度が少ないと言われており、薬剤師が介入して医療用麻薬の適正使用・使用促進に一躍を買うことができると考えられています。

救急認定薬剤師

救急の現場で活躍する薬剤師の育成を目的とした認定薬剤師制度になります。おそらくですが。「アンサング・シンデレラ」の田中圭さん演じる瀬野は、この資格を持っています。

急変する患者の状態に合わせて薬剤選択を提案したり、中毒物質の同定を行い対応する解毒薬を準備したりなど薬物療法の側面から救急の現場を支えます。

・実務経験5年以上

・症例25例以上

などが、条件となっています。

災害の現場位で活躍するDMATなどにも薬剤師が所属するようになっており、災害の多い日本ではとても重要な役割を担っていると言えます。

他にも、HIV薬物療法認定薬剤師、精神科認定薬剤師など多様な認定薬剤師制度があります。

薬局か病院かで、取得しやすさが異なる!

上記で主に9種類の認定薬剤師について述べましたが、所得の条件に

・症例○○例以上

という項目がある場合、圧倒的に病院のほうが症例を獲得しやすいです

もちろん調剤薬局で症例の獲得も可能です。しかし門前の総合病院の協力が必要だったり、クリニックとの連携が不可欠です。身近に認定薬剤師取得者がいなければ、自分で切り開くしかなく、取得の労力以上に時間とお金がかかることでしょう。

いま薬学生で、「この認定薬剤師になりたい!!!」と決まっている志高い皆様。

その場合は、その取得したい認定薬剤師が在籍している施設への就職を考えましょう!

身近に参照対象がいるのは、資格取得の近道です。

相談相手にもなってくださるでしょうし、その上司も資格取得に協力的だと思われます。

細かい認定条件や学会参加の許可など、実績がある施設に行くのが手っ取り早いですね。

もちろん薬局で無いと取りにくい在宅系の認定薬剤師もあります。そのような認定薬剤師に興味がある方は調剤薬局をおすすめします。

このときもまた、実際にそこに認定を取得した薬剤師がいる店舗・会社を選ぶのが無難でしょう。

また、調剤薬局は特に、認定薬剤師取得に関わる費用を、自己研鑽費として会社が負担してくれることも多いです。福利厚生として、そのような項目を掲げている会社かどうかも要チェックポイントです。

いつから目指せばいい?何から始めたらいい?

では、実際に

「この認定薬剤師楽しそうだな」

「この領域の専門性を高めたいな」

とある程度の目標が決まったところで、いつから、何を始めたらいいのでしょうか?

答えは・・・「とりあえず相談する!」です。

認定薬剤師取得の必須項目として実務経験3年以上などの条件が課されていることが多いです。

その年数に満たないとそもそも受験できないので、今すぐ取得に向けてできることは少ないと思われます。しかし、とりあえず直属の上司や副部長や部長に相談することで、来年からの配置に考慮してくれる可能性が高いです。

逆に、薬剤部の雰囲気的に新しい取得に関してあまり乗り気でない場合もあります。(少ないとは思いますが・・・)このような気質かどうかは、相談したときの反応で分かると思います。

もし、薬剤師としての成長を応援してくれない職場であれば、そこでの薬剤師としての未来はあまり明るくないと思われます・・・転職を考えるのも手ですね。

取得で何かが変わる?

業務が終わったあとに、頑張って研修に出て単位を集め・・・症例を集めて論文をかいたり・・・安くない学会費を払って学会に参加したり・・・

種類によりますが、取得にかかる労力は半端ないと思われます。

それで、何か実際に給料がすごく上がるとか、役職につけるとか、そういったことは・・・・

ないです!!(ほとんどね)

あくまで患者さんによりよい薬物療法を提供するための自己研鑽ですので。

お金のためじゃないです。はい。

もちろん何も持ってない人と比較しては強いですね。自己研鑽してます、アピールになりますので。

でも、病院の薬剤部というところは常に上が詰まっているような状態です。認定を一つ取ったところでそこがひっくり返るということはないです。

打開策の1つとしては、病院→薬局に転職をすることで自分の希少価値を売り込んで年収アップするというのもありだとは思います。

まとめ

今日は薬剤師になったあとのその先、認定薬剤師についてお話しました。

薬剤師はいろいろな分野で活躍できる知識があります。

その専門性を「認定薬剤師」という名前をつけることで知名度を高め、多職種に積極的に介入するきっかけになればいいなと思います。

自分の興味がある分野でより専門家として貢献できる薬剤師になりたいものですね。

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